「国立大学に行きたい。塾なしで。」
高校に入学した娘からそう告げられた時、「やった!!(喜)」と思いつつも、私の脳裏を過ったのは、キラキラした合格の二文字ではありませんでした。
真っ先に浮かんだのは、小5の時の「あの事件」です。
今でこそ、自分でスケジュールを管理し、呪文のような数式を解き明かしている娘ですが、ここまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。
むしろ、隠蔽、号泣、そして挫折の連続。
今回は、自走する娘の「原点」となった、少し泥臭い公立高校合格までの軌跡を振り返ります。
勇者の武器は「ドラクエ」だった!?
娘の「自学」の原点は、本人が「やりたい」と4歳から始めた、家庭学習教材「ポピー」でした。
でも、今の彼女の漢字力を支えた真の功労者は、間違いなく『ドラクエの攻略本』と『モンスター大図鑑』です(笑)。
ペンだこを作りながら、必殺技やモンスター名を必死に書き写して遊んでいたあの日。
これぞ、わが家の「異世界転生(国立受験編)」への伏線だったのかもしれません。
ポピーは、本人からの申し出で、小3で解約。
「本人が必要だと思わない限り、押し付けても意味がない。」
これが、偏差値40の母が導き出した、ズボラゆえの教育的真理です。
「消えたテスト」と母の猛省
ところが小5の懇談会で、事件は起きます。
先生の話を聞きながら、私の頭には巨大なハテナが。
「……あれ?先生は、一体誰の成績の話を? 娘のテストは、いい点ばかりのはず……」
この時まで、私は娘の学習状況は順調だと思っていました。
でも実際は、自分が見せたくない点数の答案用紙は、私の目を通すことなく、すでに闇に葬られていたんです。
高圧的な指導に怯え、私に叱られるのを恐れ、彼女は「できない自分」を隠すしかなかったみたいで。
コミュニケーション不足ではなかったはずなのに、「わかりません」が学校で言えない状況に、なぜ気づけなかったのか。
母、猛省。
この経験が、今の私の「本人の選択を100%尊重する」というスタンスの原点になりました。
屈辱の「英語点数暴露事件」
中学に入り、「参考書マネージャー」を自称して武器(教材)を買い揃えた私ですが、再び白目をむく日が来ます。
中1の2学期末、英語の問題集が「丸付けもせず間違えたまま放置」されているのを発見したのです。
(後に、教科書を使わない独特な授業に翻弄されていたことがわかりました。)
極めつけは、クラスの幼なじみに、悪気なくみんなの前で英語の点数を暴露されたこと。
その日、娘は帰宅して号泣しました。そりゃ、私も嫌だわ(笑)。
「聞かれたって、志望校を誰にも言えない。」
周囲のデキる子たちと自分を比べ、自信を失っていた娘。でも、人見知りの彼女にとって、塾はストレスでしかない。
ここから、母娘の逆襲が始まりました。
「スタサプ」
「YouTubeの神授業」
「ネットの無料プリント」
あらゆるデジタル武器を召喚し、ついに彼女は自分に最適な「独学スタイル」を確立したのです。
私は勉強苦手なんで、もっぱらコピー要員でしたけどね(笑)。
蛙の子は、逞しかった
保育所時代から言い続けていた「県内トップクラスの進学校合格」。
(娘は「当時は意味もわからず、なんとなく言ってただけ」と笑いますが…。)
中3の時の彼女は、自らスケジュールを管理し、休み時間すら惜しんで勉強に没頭していました。
入学から卒業までに学内順位を50番上げ、彼女は有言実行で、自力で合格通知をもぎ取りました。
あの時、テストを隠して震えていた子が、今は自分で人生をコントロールしている。蛙の子は、意外とたくましかったのです。
そして物語は今、さらに過酷な「国立大受験編」へと続いています。
母の仕事は相変わらず、美味しいご飯を作ることと、Amazonで「ポチる」ことだけ。
さあ、次はどの呪文(参考書)を買いましょうか(笑)。
emu